【賃貸トラブル】家主からの賃料増額請求に対して4年かけて段階的に増額することで合意した事案

近年、沖縄県では地価・家賃の値上がりが著しい状況にあります。

そんな中、最近非常に増えてきているのが、「賃料増額請求」です。賃料増減額請求権は借地借家法において認められた請求権であり、たとえ契約書で、賃料増減額をしないと約束したとしても、完全には排除することはできません。

問題となった事案は、那覇市開南付近、約15坪の店舗、月額賃料約80,000円の物件について、家主から月約150,000円が相場価格であり、これまでの賃料が安いことを考慮しても11万5000円程度まで増額するよう求めるものでした。

現在、那覇市の店舗用建物の賃料相場は、坪1万円に近い状況になっており、家主の主張は相場からすればそれなりに理由のあるものです。しかしながら、賃料増額請求調停では、現在の相場のみから判断されるものではありません。今回の事案では、従来の賃料から約1.5倍もの大幅な増額でありテナント側としては、突然そのような負担を求められることは大きな経営上の打撃になりえます。

この調停では、一定の増額はやむを得ないとしても、急激な増額によるテナントへの影響をできる限り回避する必要があることを主張し、4年をかけて段階的に増額するという形で合意できました。

借主サイドからすると、突然、賃料が相場に見合っていないといわれて、驚くほど高額な賃料が相場だという査定資料を家主から提示されるケースがあります。しかしながら、新規賃料(新しく入居する場合の賃料)の賃料と継続賃料(これまで居住してきた人について増額をする場合の賃料)とでは考え方が異なります。

継続賃料の場合には、家主はその金額で貸すという契約をしたのですから、例えそれが相場に見合っていないとしても、その約束は簡単に変えてはいけないという点をよく理解しておかないと、高額な賃料を受け入れるか、即時に退去するかという2択を迫られ、経済的・精神的なに追い詰められるほか、物件探しの労力なども発生します。

本件のように、段階的に増額していくという形は、その間の相場動向を見ながら、別の店舗に移るのか、営業を継続するのか判断する時間的余裕が生まれることとなり、借主にとっては経済的な面だけにはとどまらないメリットがあるといえます。

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