労働時間と割増賃金のお話(9)
~休日(その2)~
労働基準法35条は、毎週少なくとも1回の休日を与えなければならないとしています。しかし、実際には毎週土曜日及び日曜日を休日とし、週休二日制の企業が多いのが実情でしょう。
このような場合、労基法35条はどのような意味を持っているのでしょうか。
例えば、労基法36条は休日に労働させることができる場合、その前提として同条に定める労使協定、すなわち36協定を締結していなければならない旨の規定をしているのですが、先の週休二日制の企業では、土曜日、日曜日のいずれの曜日に労働させる場合においても36協定を締結してなければならないのか、あるいは労基法は週休1日制の原則を定めているのですから、土曜日か日曜日のどちらかに労働をさせなければもう1日は36協定の締結をしないまま労働させることができるのかということです。
行政解釈では、この場合における休日労働とは、週1回の休日に労働をさせる場合であり、週1回の休日のほかに使用者が休日と定めた日に労働させる場合は含まないとしていますから、上記の様に週1日の休日が確保されていれば労基法違反とはならないということになります。
もっとも、労基法35条にいう休日がいつなのか特定されていないのは労働者保護の観点から問題があるとして、行政においては、就業規則等において具体的に休日(労基法35条にいう「休日」、すなわち「法定休日」)を定めるように指導するとしています。多くの事業所の就業規則では、土日の週休二日制の場合、日曜日を法定休日としているところが多いのではないでしょうか。 —続—