3.期限内申告
期限内申告とは、その言葉のとおり、法定申告期限までに申告することです。
たとえば、被相続人が2月10日に亡くなったとしたら、相続税の法定申告期限はその年の12月10日ですので、12月10日までに申告すれば期限内申告となります。
所得税の場合には、法定申告期限が3月15日なので(ただし、令和2年と3年は4月15日が申告期限でし
た。)、3月15日までに申告すれば期限内申告となります。
では、所得税の場合、期限内申告をしないとどんなことがおこるかというと、たとえば、個人事業主が青色申告の承認を受けていても、65万円の青色申告特別控除が受けられなくなります。これは、青色申告特別控除の適用要件に、期限内申告することが定められているからです(租税特別措置法25条の2)。期限内申告ができなかった場合、10万円の控除しか受けられなくなります。
もし、所得税の税率が20%の人が青色申告特別控除を利用していたとすると、期限内申告をすれば65万円の所得控除を受けて、65万円×20%=13万円の税金を節税できます。しかし、これが10万円の所得控除になると、10万円×20%=2万円しか節税ができなくなります。期限内申告をするか否かで、納付すべき税額が11万円変わってくるのです。
さまざまな事情があるとは思いますが、申告期限は守った方が納税者にとっては有利ですので、できるかぎり余裕をもって申告の手続きをすすめたほうがいいでしょう。
(次回「4.決定」に続く)