新型コロナと休業手当2

新型コロナと休業手当 その2(休業要請のない場合)

                             2020.09.07

 民法の賃金支払義務と労働基準法の休業手当の支払い義務との関係をどのように考えたらよいのですか?

 

一般に、労働基準法第26条の休業手当の支給に関する条文は、民法第536条第2項の危険負担に関する賃金支払義務に関する条項を排除するものではないと理解されています。従ってそれぞれの要件を満たしている限り双方の規定が適用されることになりますが、強いて言えば、労基法第26条違反は労基法第120条によって30万円以下の罰金という刑事罰が科されることがありますが、民法第536条第2項違反は債務不履行は成立しますが刑事罰による強制はありません。

以上のことから、民法第536条第2項と労基法第26条との関係については、民法第536条第2項によって支払われるべき賃金のうち、平均賃金の6割に相当する部分について罰則によって支払いを担保する等、労働者保護を強化したものとされています。