新型コロナとテレワーク その2
2020.08.27
契約社員から、正社員はテレワークしているのに契約社員はどうしてテレワークさせてもらえないのですか、私たちもテレワークさせてほしいといわれています。どのようにしたらよいですか?
同一労働同一賃金の関係で注意が必要です。改正された短時間・有期雇用労働法との関係で、第8条の「不合理な待遇の禁止」と第9条の「通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止」の条項は、賃金のみならず、福利厚生や教育訓練等の正社員と短時間・有期雇用労働者の相異に関しても適用されます。
したがって、正社員についてはテレワークさせているが、短時間・有期雇用労働者についてはテレワークさせていないような場合には、それが「業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下『職務の内容』という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違」でないような場合でなければなりません。
そうすると、正社員にテレワークさせる目的が何なのかということが重要です。単に通勤や職場における感染のリスクを回避するため、という理由のみだとすると、感染リスクの回避については短時間・有期雇用労働者についても同じようにその必要はあるわけですから、「不合理と認められる相違」とされるおそれがあります。
一方で、短時間・有期雇用労働者の就労が事業所でなければ遂行できない(例えばスーパーやコンビニのレジ係)のに反し、正社員の職務の中には自宅においても就労できるものがあり、そのような職務に従事している正社員についてテレワークを認める、というような場合には、「不合理と認められる相違」にあたるとはいえないでしょう。
また、短時間・有期雇用労働法第14条第2項は、短時間・有期雇用労働者から求められた場合には、その待遇の相違の内容及び理由等を説明しなければならないことになっていますから、待遇差の相異とその理由について丁寧に説明する必要があります。