【債務整理】ブラックリスト総まとめ

ブラックリストというリストは存在しない

債務整理や自己破産のご相談でよくあるご質問に、「ブラックリストに載りますか?」というものがあります。

一般に「ブラックリストに載る」とは、「信用情報機関」に滞納や破産の情報が載ることを指します。クレジットカード会社や銀行は、この「信用情報機関」から、お金を借りようとする人の事故情報(滞納や債務整理の情報を「事故」といいます。)を得て、カードを発行したりお金を貸したりするかどうかを判断しています。

なお、ここで記述した情報は2020年6月時点のものです。登録される情報や保管期間は時期によって異なるのでご留意ください。

信用情報機関の種類と特徴

信用情報機関は主にCIC、JICC、JBA(KSC)の3つで、それぞれに特徴があります。

CIC(シー・アイ・シー)

CICは、貸金業法だけでなく割賦販売法でも「指定信用情報機関」に指定されており、クレジット会社に関する信用情報を多く保有する信用情報機関です。

JICC(日本信用情報機構)

JICCは、貸金業法によって「指定信用情報機関」に指定されており、いわゆる街金・サラ金(消費者金融)に関する信用情報を多く保有する信用情報機関です。

JBA/KSC(全国銀行個人信用情報センター)

JBA(KSC)は、全国銀行協会(全銀協)が運営する信用情報機関であり、銀行借入(住宅ローン含む)、銀行系クレジットなどの情報を多く保有する信用情報機関です。

情報の共有(CRINとFINE)

CIC、JICC、JBA(KSC)それぞれの信用情報機関が保有する情報は相互に共有されています。

CRIN(クリン)

CRINは、CIC、JICC、JBA(KSC)の3つの信用情報機関が相互に保有する情報を交換するための自主的なネットワークのことを指します。これによって、各信用情報機関が保有する情報のうち、重要な部分が共有されることになり、例えば、「銀行系の貸金で滞納があったけれど、クレジット会社では分からない」、という事態により与信(お金を貸すこと)判断が不適切に行われることを防ごうとするものです。

FINE(ファイン)

Fineは、貸金業法による総量規制(個人の借入総額を原則として年収等の3分の1までに制限する規制)を守ることを目的として、貸金業法に基づく指定信用情報機関(CICとJICC)が相互に情報を共有するためのシステムです。

登録される信用情報はなに?

登録される情報は、「クレジット」なのか「貸金」なのかなど、債務の種類等ごとに細かく区分されており、また、商品名や支払予定回数などの申込情報のように短期間しか保管されない情報もあるため、基本的な部分を理解しておけば、細かいことを理解する必要はあまりないと思います。

基本的に、長期間保存される重要な情報は、以下の情報です。

  1. 氏名・住所・電話番号などの本人特定事項
  2. 勤務先情報
  3. 事故情報とその種別(延滞/強制解約/代位弁済・任意整理・自己破産・個人再生など)

信用情報は何年登録されるの?

CIC・JICCは「契約中ずっと」+「事故情報発生から5年」

信用情報の保管期間は信用情報機関によっても違いますし、同じ信用情報機関でも保管期間を変更することがありますが、基本的には「契約中ずっと」+「事故情報の発生から5年」が基準になります。

※CICとJICCは、現在は破産・民事再生などの官報情報を独自に集めておらず、加盟する企業や本人からの報告を受けて「完済」などの処理を行っています。

JBA(KSC)は「契約中ずっと」+「事故情報発生から5年」+「破産・再生は開始決定から10年」

銀行系の情報を保有しているJBAも、基本的には「契約中ずっと」+「事故情報の発生から5年」ですが、注意が必要なのは、破産・民事再生の情報を開始決定のときから10年保有している点です。

信用情報の注意点!

放置していると記録が残り続ける

信用情報は「契約中ずっと」残るものとされていますので、例えば、自己破産で免責を受けたり、支払いをしないまま長期間が過ぎている場合でも、「時効援用通知」を送らないと、記録されたままになってしまう可能性があります。

時効期間は、原則として最後の支払日から5年(1回も払っていない場合は最初の支払予定日から。)です。ただし、2020年3月31日以前の信用金庫・信用組合などからの借入は10年です。

途中、差押を受けてしまった場合には、差押が取り下げられるなど終了してから5年が原則です。また、訴訟・支払督促はそれぞれ確定してから10年です。訴訟等が確定した後に差押えを受けた場合は、差押取り下げられるなど終了してから10年です。

長期間返済がない場合には、時効援用通知を送付した方がよいでしょう。

過払金請求は自己情報に含まれない

よく、過払金を請求したらブラックリストに載りますかという相談を受けますが、過払金を請求したから信用情報に傷がつくことはありません。むしろ、延滞のまま放置されているケースが多いの、信用情報の回復につながります。

なお、現在は過払金自体がほぼ「ない」ので、過払金を売りに宣伝をしているような法律事務所・司法書士事務所は避けた方が賢明です。

家族の情報は記載されない

信用情報機関に登録される情報は、あくまで、債務者(保証人含む)本人の情報だけです。したがって、家族が借り入れをしにくくなったりすることはありません。

もっとも、その会社が独自に保有している情報を参照する可能性は否定できません。また、信用情報が登録されている人が保証人になることは難しいです。

事故を起こした会社には別の保管基準がある可能性も

信用情報機関に保管されている情報とは別途、貸金業者やカード会社では、個別に顧客の情報を保管しております。

したがって、信用情報機関の保管期間が過ぎていても、過去に信用事故を起こした会社では事故情報が記録されている可能性があります。

ブラックリストでもできること・できないこと

携帯電話・車両購入・リース契約

携帯電話の機器や車両の分割購入は出来ません。分割購入と似た性格を持つリース契約も同様に困難です。

したがって、機種代・車両代が安いものか、お金を貯めて一括購入する必要があります。

ETCカード

ETCカードはクレジットカードを通して契約しますが、クレジットカードを作ること自体が難しくなるため、クレジット式のETCカードも使えません。

デポジット式(ETCパーソナルカード)のカードは利用可能です。

生命保険・火災保険・車両保険

生命保険や火災保険や車両保険などの損害保険は、基本的に保険料の支払いが出来なければ保障が受けられないだけですので、加入の段階では信用情報はそれほど影響はない様です。

普通預金口座・総合口座の作成

問題なくできます。

証券口座・FX口座

口座の作成は可能ですが、クレジットカードを利用した購入などは出来ません

保有目的での株式や有価証券の購入はともかく、FXは相場変動が激しい場合、自動ロスカットが追いつかず証拠金以上の損失が発生する可能性がありますので、財務基盤がしっかり出来上がっていないうちはやめておいた方がよいでしょう。

信用情報の取得方法

信用情報機関の名称 方法 手数料
CIC 郵送

ネット

窓口

1000円(定額小為替)

1000円(クレジット)

500円(現金)

JICC 郵送

ネット

窓口

1000円(定額小為替)

1000円(クレジット)

500円(現金)

JBA(KSC) 郵送 1000円(定額小為替)

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