改正民法・不動産登記法 その1

また相続法が変わります①

でも、相続法は最近改正されたばかりですよね。にもかかわらず、どういう理由で、どのような点が改正されたのですか?

今回の改正のもとになった平成31年2月14日に開催された法務省の法制審議会第183回会議において、法務大臣から「民法及び不動産登記法の改正に関する諮問第107号」が示されました。

その諮問内容は・・・

 土地の所有者が死亡しても相続登記がされないこと等を原因として、不動産登記簿により所有者が直ちに判明せず、又は判明しても連絡がつかない所有者不明土地が生じ、その土地の利用等が阻害されるなどの問題が生じている近年の社会経済情勢に鑑み、相続等による所有者不明土地の発生を予防するための仕組みや、所有者不明土地を円滑かつ適正に利用するための仕組みを早急に整備する観点から民法、不動産登記法等を改正する必要があると思われるので、左記の方策を始め、その仕組みを整備するために導入が必要となる方策について、御意見を承りたい。

第一 相続等による所有者不明土地の発生を予防するための仕組み

一 相続登記の申請を土地所有者に義務付けることや登記所が他の公的機関から死亡情報等を入手すること等により、不動産登記情報の更新を図る方策

二 土地所有権の放棄を可能とすることや遺産分割に期間制限を設けて遺産分割を促進すること等により、所有者不明土地の発生を抑制する方策

第二 所有者不明土地を円滑かつ適正に利用するための仕組み

一 民法の共有制度を見直すなど、共有関係にある所有者不明土地の円滑かつ適正な利用を可能とする方策

二 民法の不在者財産管理制度及び相続財産管理制度を見直すなど、所有者不明土地の管理を合理化するための方策

三 民法の相隣関係に関する規定を見直すなど、隣地所有者による所有者不明土地の円滑かつ適正な利用を可能とする方策

というものです。

先の法制審議会の資料によれば、法務省の調査によると、最後の登記から50年以上経過している土地の割合は、大都市で約6.6%、中小都市・中山間地域においては約26.6%にも上っています。また不動産登記簿のみでは所有者の所在が確認できない土地の割合が約20.1%にもなっており、これは北海道の面積に匹敵する規模になっています。

このようなことから、土地の円滑・適正な利用に支障を来しており、今後、相続が繰り返される中で、この問題がますます深刻になるおそれのあることから、所有者不明地問題の解決は、喫緊の課題とされてきました。

今回の法改正は、以上の様な所有者不明地に関する諸々の問題を解決するためになされたものと言えます。

そのために、今回の改正は、その範囲が比較的広く、民法の改正部分としては、①相隣関係(お隣さんとの土地の利用に関する諸問題)の見直し、②共有物を利用するためには、共有者を個別に探索して交渉する必要があり、共有者の一部が不明である場合には、その者の同意をとることができず、土地の利用・処分が困難になることなどから、共有制度の見直し、③所有者不明土地の合理化を図るための財産管理制度の見直し、④現行法上は遺産分割に期間制限がなく,相続発生後に遺産分割がされずに,遺産共有状態が継続し,何回も相続が発生した場合に権利関係が複雑化し、また遺産分割がされないために相続登記がされないまま放置されることがあることから、遺産分割を促進するための方策の導入等がなされています。

民法の条文の位置とは異なりますが、相続法の改正に係る部分から説明していきたいと思います。(続)

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