【債務整理・闇金対応】LINE・電話番号しか分からない闇金業者に対応した事例

闇金とは

貸金業の登録

金銭の貸借を業として(反復・継続して)行う場合、都道府県知事から「貸金業の登録」を受ける必要があります。

しかしながら、貸金業登録には法定の審査や貸金業法による規制があるため、こうした規制を回避するために、貸金業の登録を受けずに金銭の貸借を行う事業者がおり、こうした事業者を一般に「闇金」と言います。

特に相談が多いのは、電信柱の張り紙やネット上に電話番号しか表示されておらず、実店舗を持たない業者です。こうした業者の多くは、少額かつ短期の貸借を繰り返し行い、一回一回の「額面」だけを見ると少額の手数料でも、年利に引き直すと超高額の金利となる場合があります。

闇金の特徴としては、高金利・短期間・過酷な取立てなどがあり、特に、職場や親族(あるいは親族の職場)などへの督促など、弱みを掴まれてしまい中々抜けられないことがあります。

ご相談いただいた事例

今回、ご相談いただいた依頼者様も、週払い業者(返済期間が週単位で設定されている業者)からお金を借り、その後、何度も違う電話番号からの借り換えをさせられ、現状では、元々の元金のうち幾らが残っているのか、そもそも、一体誰から借りているのかもわからないという状況でした。

督促は非常に陰湿で、自宅への訪問、借主自身に対する督促だけでなく、職場への電話、親族の職場への電話、親戚への電話など、極めて悪質な内容でした。

闇金への対応

基本対応

闇金は、法的には、利息制限法の法定利率を上回る利息はもちろんのこと、出資法に反する高利(年利109.5%以上)である場合など、元金自体の返済義務もない場合もあります。

今回の事例では、即座に元金を含めた支払い義務がないと判断し、一切の支払いをストップしたほか、連絡があった電話番号に対しては、SMS(ショートメール)にて受任通知を送りました。

その上で、関係者に対しては、対応をしないように連絡するとともに、今後、直接職場等へ連絡があれば、即座に警察に通報するよう指導しました。

「言う」は一時の恥

闇金の問題は、基本的には警察力に頼るべき部分が多く、例えば職場や学校への嫌がらせがあったとしても、相手方の特定、訴訟手続き、回収見込み等を考慮すると、いわゆる民事的な対応は費用対効果が望めないというのが実情です。相手方も、ある程度「足が付きにくい」のを理解したうえで、職場等への嫌がらせをしており、短期的には嫌がらせ行為を受けることもあります。

もっとも、闇金業者も支払いの可能性のない相手に対していつまでも嫌がらせを続けるほどヒマではありません(また、嫌がらせをいつまでも際限なくやる業者はいずれ逮捕されるでしょう)。

債務者の方は、どうしても「闇金から借りてしまった」という負い目や、「関係者に迷惑を掛けたくない。」、「知られるのが恥ずかしい。」と言った気持ちから、警察や弁護士への相談が遅れ、ズルズルと終わりのない返済を続けてしまう債務者の方がいます。

しかし、「言うは一時の恥」です。いつまでも闇金業者の言うまま違法な金利を支払いを続けることは、こうした業者を生かしてしまい、新たな被害者を生むことにもつながります

そもそも、高金利を取るというのは、貸し倒れ(返せない人がいる)ことのリスクがあることを踏まえたものです。要は、闇金の方も、返せない人が出てくることは織り込み済みで金利を設定しているのであって、その様な違法な高金利を返せないことを恥じる必要も、負い目に感じる必要も全くありません。

闇金に手を出してしまったこと自体は、今からどうにも出来ませんが、今後、闇金に対して毅然とした態度で臨むことは可能です。

事案の結末

受任の通知に対して、相手方は、当初「自分たちは絶対に捕まらない。」、「借りたのに反せない奴は最低だ」など強気な態度に出て来ましたが、職場や関係者に協力してもらい、連絡があればすぐに警察へ連絡するよう指導し、応答しないという対策を徹底してもらいました。

結果、1~2週間程度は多数の電話が来たものの、次第に件数は減少し、1~2か月程度で連絡は、ほぼなくなりました

「言うは一時の恥」です。どうか委縮せずに対抗する勇気をもって欲しいと思います。